新卒なのに毎日終電帰りの生活を続けて疲れ果てているあなたへ。
こんな辛い状況に耐え続けていませんか?
社会人1年目だからこそ頑張りたい気持ちはわかります。
ですが、毎日終電まで働き続けることは決して「当たり前」ではないのです。
心も体も限界を感じているなら、それはあなたが弱いからではなく、働き方に問題があるサインかもしれません。
この記事では、新卒で毎日終電帰りの働き方を続ける危険性と仕事で限界を感じた時の対処法を紹介します。
今の辛い状況を変えるために、勇気を出して一歩を踏み出しましょう。
【体験談】新卒SEとして毎日終電まで働いた日々
入社式の日、同期と喜びを分かち合い、輝かしい未来を思い描いていた。
あの頃の僕は、IT業界で活躍する自分の姿を夢見て胸を躍らせていた。
しかし、研修が終わり実際の現場に配属されてからの日々は、想像していたものとはまったく違うものになった。
配属されたのは、常に繁忙期のような部署だった。
先輩たちは当たり前のように終電まで残り、それが「普通」だと口を揃えて言っていた。
最初の頃は「新人だから仕方ない」と自分に言い聞かせていた。
分からないことだらけで、コードを書くたびにエラーの嵐。ガクッと肩を落とす日々が続いた。
「すみません、このエラーの原因が分からなくて…」と先輩に質問すると、作業の手を止めて対応してくれる。
でも、その度に申し訳なさでいっぱいになった。
「また俺のせいで先輩の作業が止まってしまった…」
自分の無力さを感じ、胸が締め付けられる思いだった。
入社して3ヶ月が過ぎた頃から、本格的に忙しさの渦に飲み込まれていった。
「今日は何時に帰れるかな」という期待はすぐに「今日も終電だな」という諦めに変わった。
毎日の終電帰りが当たり前になり、家に着くのは日付が変わった後。
「もう限界かも…」と何度も思った。
朝は重い足取りで会社に向かい、夜は疲れ果ててフラフラになりながら帰宅する。
休日も疲労回復のために寝て過ごすことが多くなり、友人との約束もキャンセルする回数が増えた。
SNSで友人たちの楽しそうな写真を見るたび、「ハァ…」とため息をつく自分がいた。
特に辛かったのは、納期直前のプロジェクト。
連日の深夜残業で、帰りの終電に間に合わず、会社に泊まり込むこともあった。
床に段ボールを敷いて寝ながら、「こんな働き方がこの先も続くのか?」と疑問を感じていた。
「みんなそうだから」と先輩は言うけれど、心のどこかでおかしいと感じていた。
寝不足と疲労で集中力が落ち、ミスも増えた。
「どうして確認しなかったの?」と上司に叱られ、「すみません…」と謝るしかなかった。
でも、本当は叫びたかった。「だって時間がなかったんです!」と。
胸の中でモヤモヤと溜まる不満は、表に出せなかった。
体調を崩すのも当たり前になっていた。
グッタリと疲れ切った体を引きずるように帰宅し、週末は熱を出して寝込むことも。
「これが社会人なのか…」と思いながらも、同期のLINEグループを見ると、皆同じように苦しんでいることが分かった。それが少しだけ救いだった。
ある日、仕事帰りの駅のホームで偶然、大学の先輩と再会した。
「元気ないね。大丈夫?」という一言で、堰を切ったように愚痴をこぼしてしまった。
先輩は静かに聞いてくれた後、「その会社、普通じゃないよ」と教えてくれた。
先輩の会社は定時退社が基本で、残業があっても月に数回程度だという。
その会話がきっかけで、自分の置かれている状況が「当たり前」ではないことに気づいた。ハッと我に返った気分だった。
IT業界で働くということは、必ずしも終電まで働くことではない。もっと健全な働き方ができる場所があるはずだ。
悩んだ末、入社してちょうど1年が経ったタイミングで転職活動を始めることを決意した。不安はあったが、期待も大きかった。
数社の面接を経て、ワークライフバランスを大切にする企業からの内定を得ることができた。
今、私は適切な労働時間の中で、より良い仕事ができる環境で働いている。
終電帰りの日々は確かに辛かったが、その経験があったからこそ、今の環境の素晴らしさをより実感できる。
もし同じような状況で悩んでいる人がいるなら、勇気を出して一歩踏み出してほしい。
新卒で毎日終電帰りの働き方を続ける危険性
新卒で毎日終電まで働く日々が続いていると、本当に辛いですよね。ここでは以下の内容について説明していきますね。
新卒という人生の大切な節目で、毎日終電帰りの生活を続けることは、単なる「仕事熱心」や「頑張り屋」というだけでなく、あなたの将来に大きく影響を及ぼす可能性があります。一時的な忙しさなら乗り越えられるかもしれませんが、それが常態化すると様々な危険性が潜んでいるのです。
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
身体的な健康を損なう可能性が高まる
長時間労働が続くと、身体的な健康状態が悪化する可能性が非常に高くなります。なぜなら、十分な睡眠時間が確保できず、栄養バランスの良い食事や適度な運動をする時間も減少するからです。
- 慢性的な睡眠不足により免疫力が低下し、風邪などの感染症にかかりやすくなる
- 食事が不規則になり、コンビニ食やインスタント食品に頼りがちで栄養バランスが崩れる
- 運動不足によって基礎体力が低下し、肥満や生活習慣病のリスクが高まる
このような生活習慣の乱れは短期間では目立った影響がないように感じるかもしれませんが、長期間続くと取り返しのつかない健康被害をもたらすことがあります。20代の若さで体調を崩してしまっては、その後のキャリア形成にも大きな影響を及ぼすでしょう。
精神的なバランスを崩しやすくなる
毎日終電帰りの生活が続くと、精神的な健康も危険にさらされます。なぜなら、常に時間に追われる状態が続き、リラックスする時間やストレス発散の機会が著しく減少するからです。
- 慢性的なストレス状態になり、イライラや集中力低下などの症状が現れる
- 自分の時間がないことによる喪失感や無力感を感じやすくなる
- 常に疲労感があるため、仕事中のミスが増え、それがさらなるストレスにつながる
このような精神的なバランスの崩れは、徐々に深刻化して最終的にはうつ病などの精神疾患につながる可能性があります。特に新卒というキャリアの初期段階でこのような状態に陥ると、仕事に対する価値観や意欲にも長期的な悪影響を及ぼしかねません。
社会的な孤立を招きやすい
毎日終電帰りの生活は、あなたの社会的なつながりを徐々に失わせる危険性があります。なぜなら、友人や家族と過ごす時間が極端に減り、人間関係を維持するための時間的・精神的余裕がなくなるからです。
- 友人との約束をキャンセルすることが増え、次第に誘われなくなる
- 家族との会話や交流が減少し、大切な家族行事にも参加できなくなる
- 趣味や社会活動に参加する機会がなくなり、職場以外の人間関係が希薄になる
このような社会的孤立は、人間としての豊かさを奪うだけでなく、困った時に頼れる人がいなくなるという実質的な問題も引き起こします。社会的なサポートネットワークは、キャリアにおいても人生においても非常に重要な資源であることを忘れないでください。
新卒なのに毎日終電帰りの会社に限界を感じた時の対処法
新卒で毎日終電帰りの生活が続き、心身ともに限界を感じている時は、ただ我慢するだけでなく適切な対処が大切です。
ここでは以下の内容について説明していきますね。
新卒として入社した会社で毎日終電まで働くのが当たり前になっていると、「これが社会人なのだ」と諦めてしまいがちです。しかし、過酷な労働環境はあなたの健康や将来のキャリアに悪影響を及ぼす可能性があります。
状況を変えるための行動を起こすことで、より健全な働き方を実現することができるのです。それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
社内リソースを活用して労働環境を改善する
まずは会社を辞める前に、現在の環境を改善する方法を模索することが重要です。なぜなら、多くの場合、適切なコミュニケーションや社内制度の活用によって状況が改善する可能性があるからです。
- 人事部や社内の相談窓口に労働時間の問題について相談する
- 直属の上司ではなく、部門長や他の管理職に現状を伝える
- 同期や先輩社員と協力して、業務効率化の提案を行う
- 社内制度(フレックスタイム、在宅勤務など)の適用を申請する
- 産業医や社内カウンセラーに相談し、健康面からの業務調整を依頼する
特に大企業であれば、労働環境改善のための制度が整っていることが多いです。また、上司によっては部下の状況を十分に把握できていないケースもあります。まずは自分の状況を適切な相手に伝えることで、意外にもスムーズに解決することがあります。
あなた一人で抱え込まず、会社のリソースを活用することで、無理なく続けられる働き方を実現できる可能性があります。「言っても無駄」と諦める前に、一度声を上げてみることが大切です。
キャリアの選択肢を広げるために転職活動を始める
社内での改善が難しい場合は、並行して転職活動を始めることも一つの選択肢です。なぜなら、新卒だからといって最初の会社に固執する必要はなく、あなたの能力や希望に合った職場を探す権利があるからです。
- 隙間時間を活用して転職サイトに登録し、市場価値や求人情報を確認する
- 休日を利用して転職エージェントとの面談をセットする
- 自分のスキルや強み、希望する働き方を整理してキャリアの棚卸しをする
- 残業が少ない企業や働き方改革に積極的な企業をリストアップする
- 同業界の知人や先輩に業界内の評判の良い企業について聞いてみる
特に忙しい日々を送っている場合は、転職エージェントの活用がおすすめです。エージェントは求人紹介だけでなく、スケジュール調整や面接対策、条件交渉までサポートしてくれるため、限られた時間の中でも効率的に転職活動を進められます。
また、「第二新卒」という枠組みで採用している企業も多く、新卒入社後1-3年程度であれば、経験者としての価値を認められることが多いです。今の環境で心身を消耗させるよりも、自分に合った職場で長く活躍できる道を探すことが、長期的なキャリア形成には重要です。
心身の健康を優先して退職を決断する
状況が深刻で心身の健康に支障が出ている場合は、思い切って退職という選択肢も考慮すべきです。なぜなら、健康を失ってしまっては、どんなに良いキャリアプランも実現できなくなってしまうからです。
- 体調不良や精神的な症状が現れている場合は、医師の診断書を取得する
- 退職の意思を伝える前に、ある程度の貯金を確保しておく
- 退職後の生活やキャリアプランを具体的に立てておく
- 退職交渉が難航する場合は、退職代行サービスの利用を検討する
- 労働基準監督署や労働組合に相談し、適切な退職プロセスについてアドバイスを受ける
特に、上司からのパワハラがある場合や退職を申し出ても引き止められるケースでは、退職代行サービスの利用も検討する価値があります。退職代行サービスは、あなたに代わって会社に退職の意思を伝え、必要な手続きのサポートを行ってくれるため、精神的な負担を軽減できます。
また、一度退職しても、心身の健康を取り戻した後に再就職することは十分可能です。「新卒で退職したら負け」という考え方にとらわれず、自分の健康とキャリアを長期的な視点で考えることが大切です。未来の自分のために、勇気を持って決断することを恐れないでください。
【Q&A】新卒で毎日終電帰りの生活に悩んだ時の疑問に回答
ここでは、新卒で毎日終電帰りの生活に悩んだ時に感じる疑問について、分かりやすく回答していきますね。
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
新卒で毎日終電帰りというのは普通のことなの?
結論から言えば、毎日終電帰りは「普通」ではありません。
確かに業界や時期によっては忙しくなることはありますが、常態化している場合は労働環境に問題があると考えるべきです。
厚生労働省が定める時間外労働の上限は原則として月45時間、年360時間とされています。
毎日終電まで働く環境は、この基準を大幅に超えている可能性が高く、労働基準法違反の恐れもあります。
「新卒だから仕方ない」と諦めるのではなく、適切な労働環境を求める権利があることを忘れないでください。
毎日終電帰りの生活が続いているけど、どのタイミングで限界と判断すればいい?
身体的・精神的な変化に注意を払うことが大切です。
具体的には、慢性的な疲労感、睡眠の質の低下、食欲不振、イライラや集中力の低下、趣味や友人との時間が取れなくなったと感じる場合は要注意サインです。
特に週末も疲労感から回復できず、月曜の朝に強い憂鬱感を感じる状態が続くようであれば、すでに限界に近づいていると考えられます。
健康を損なってからでは遅いので、これらの症状を感じ始めたら早めに対策を講じることをおすすめします。
新卒1年目で転職すると不利になる?
必ずしも不利にはなりません。
かつては「新卒で3年は続けるべき」という考え方が一般的でしたが、現在の転職市場では「第二新卒」という枠組みがあり、入社1~3年程度の若手人材を積極採用する企業も増えています。
特に、労働環境が劣悪で心身の健康を害するリスクがある場合は、早めの転職を選択する方が長期的なキャリア形成においてプラスになることもあります。
ただし、転職理由を「きつかったから」だけでなく、前向きな理由と共に説明できるよう準備しておくことが重要です。
終電帰りが続く状況を上司に相談するべき?
相談する価値は十分にあります。
多くの場合、上司も部下の状況を細かく把握できていないことがあるため、適切に状況を伝えることで解決の糸口が見つかることもあります。
相談する際は、単に「きつい」「辞めたい」と感情的に伝えるのではなく、具体的に「どのような業務に時間がかかっているか」「効率化できそうな点はどこか」などを整理して伝えると建設的な会話になりやすいでしょう。
また、相談しても改善されない場合は、より上位の管理職や人事部門に相談することも検討してみてください。
毎日終電帰りの生活から抜け出すために転職以外でできることは?
いくつかの方法を試してみる価値があります。
まず、業務の効率化や優先順位付けのスキルを高めることで、同じ時間でより多くの成果を出せるよう工夫してみましょう。
また、社内の制度(フレックスタイム、在宅勤務、部署異動など)を活用できないか検討することも有効です。
さらに、健康管理のために産業医や社内カウンセラーへの相談も選択肢の一つです。
これらの試みをしても状況が改善しない場合は、自分の健康を最優先に考え、転職や退職を含めたより抜本的な解決策を検討する時期かもしれません。
【まとめ】新卒で毎日終電帰りの生活から抜け出すための第一歩
新卒で毎日終電帰りの生活を送っているあなたは、本当に頑張っていると思います。
しかし、その頑張りが自分自身を追い詰めることになってはいけません。
「新卒だから仕方ない」と諦める必要はなく、あなたには健康的に働く権利があります。
今回ご紹介した対処法を参考に、まずは小さな一歩から始めてみましょう。
上司との対話や業務の効率化、さらには転職という選択肢も含めて、あなたに合った解決策を見つけることが大切です。
辛い状況は永遠に続くものではありません。
あなたの人生の主人公はあなた自身です。自分の未来のために、勇気を持って一歩踏み出してみてください。
必ず道は開けるはずです。